すだちキャンパス

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やってみたこと、学んだことなどのメモ。

船舶免許を取得しました(実技1回落ち)

こんにちは。
去年の12月に船舶免許(2級小型船舶操縦士免許)を取得したので、それについての記録です。
2級小型船舶操縦士免許

ちなみに、船舶免許の実技試験は99%落ちないと言われているのですが、
落ちました。
そんな貴重な(?)体験談です。

結論

「船舶免許 落ちた」などで検索してこの記事にたどりついてくれた方がいらっしゃるかもしれないので、先に結論を書いておきます。
車の運転経験が無く、運動神経が良くはなく、講師との相性が悪いと、落ちることもあります!!
というか、そうでなくても普通に船の運転は難しいので落ちることはあります!!
もし、実技で落ちてしまっても、あまり落ち込まないでくださいね!!!いつかは受かりますよ!!!!!

取得した理由

さて、記事に戻ります。
まず取得した理由ですがズバリ、「身分証明書が欲しかったから」です。
自動車の免許は持っていないし、学生証では公的な身分証にならない事が多いので、顔写真住所付きの身分証が欲しくて取得しました。
あとは単純に船舶免許ってかっこよくない?という理由もあります。

事前準備(ほぼ何もしなかった)

そんな軽い気持ちで思い立ち、とりあえず調べて家から一番近い免許センターに申し込みました。
自習して試験を受けるコース(少し安い)と、講習を受けて試験を受けるコース(少し高い)の2つがあったのですが、自信がなかったので少し高い方へ申し込みました。ちなみに、高いコースは試験に落ちても無料で再試を受けられる(主に筆記が想定されていました)というサービスもウリでした。これが後で役に立つとは・・・。

申し込んでからしばらくすると、受講票が送られてきました。教材は当日配布との事だったので、特に事前学習はできず。
不安だったので一応船舶免許を取得された方のブログを流し読みしたり、YouTubeで船舶免許 実技 で検索して動画を見たりしていましたが、ほぼ何もしていないに等しかったです。ちなみに、調べていると釣りが趣味の人などが取得される傾向があるようでした(そりゃそうか)。
あとこちらのサイト↓に、船舶免許取得の流れがとてもわかりやすくまとまっていて参考になりました。
ez-net.jp

講習の様子

筆記(2日間)

筆記は、講習を聞いていれば問題なく受かるといった感じでした。
教科書と問題集が配られて、先生が重要な部分のみ解説+重要な問題をチェックという流れで進むので、講習を聞いて休み時間に言われた問題を復習しておけば受かります。
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↑こんな感じです。

また、講習が朝9時から夕方5時までで少し長いなと思っていたのですが、実際は1時間授業→10分休憩のサイクルで進んだのでとても楽でした。
2日目の夕方に70分程の試験があり、全員が受け終わり次第採点されて合格発表でした。
ここは問題なく合格しましたし、同じ講習を受けていた他の人たち(たしか8人くらい)も全員合格されていました。

実技(1日・1回目)

そして問題の実技です。私の場合は、
8:30 集合
~10:30頃 座学+ロープワークの講習
~12:00 船の点検の講習、発進の仕方などの説明
~13:00 お昼休み
~16:00 水上で運転講習
16:00頃~ 試験
といった流れでした。
これを見ると、たった数時間の講習で船を運転できるようになるのか?と思いませんか?私は無理でした。しかもマンツーマンでなく生徒2人に対し先生1人だったので、実際に自分が練習できた時間は2時間弱くらいだったと思います。

ロープワークと点検は覚えるだけだったので簡単でしたが、運転が難しいのなんの・・・
まず、波があって揺れるので、真っ直ぐ進めないのです!
困っている私に先生が説明してくれるのですが、感覚的なことしか言ってくれず具体的にどうしたらいいのかが全く分かりません。尋ねようとしたら「(教え方に)不満があるのか?」と言われてしまい聞けないし・・・。
しかも、基本的に先生が言った通りに操作するんですが、その時に間違ったことをすると私が気付く前に先生に「こうですよ!」と言われて先に訂正されてしまうんですよね。このスタイルがどうも私には合わず。。間違ってる事を教えてくれるのはありがたいんですが、自分で考える(というか思い出す)時間をくれないと定着しないし・・・。

とまあこんな感じでその後の講習も進み、ついに試験の時間になりました。
ちなみに講習で習う項目は次の通りです。

  • ロープワーク: 試験に出る結び方を7個(巻き結び、もやい結び、いかり結び、ひとえ、ふたえつなぎ、本結び、クリート止め)覚えます。
  • 点検: 点検する項目がまあまああるので、それらを覚えます。
  • 暖機運転: 発進する前にエンジンを温めます。
  • 微速で発進: 周りを確認して発進します。
  • 滑走状態: しばらくしたら回転数(スピード)を上げて船を滑走状態にします。
  • 変針: 船の方向転換です。
  • 避航操船: 船のイラストを出されるので、座学で習った通りに運転します(向かいから船が来たら右に避けるなど)。
  • 方位測定: 方位磁石で建物などの方位を読み取ります。
  • 人命救助: 先生が投げておいたブイに近づき、拾います。
  • 連続旋回(蛇行): 目印のブイが3つ並んでいるので、その間を蛇行します。
  • 着岸: 桟橋に近づいて船を停め、ロープで係留します。
  • 後進離岸: ロープを解らんし、バックで桟橋から離れます。

試験が始まると、順番に「○○をして下さい。」と言われるのでこなしていく、といった感じです。
また、教えてくれる先生と試験官は別の人です。これもけっこうなトラップ(?)でした。
先程書いたように、私が間違えると先生が先に手を出して修正していたので、(あと実技は落ちないって聞いてたし、)試験の時も間違えたり困っていたりしたら手助けしてくれるものだと思いこんでいたのです。
しかしそんな事は一切ありませんでした。むしろ厳しめの試験官だったらしく、結果は惨敗。後日もう一度来ることになりました・・・。まあ優しめの人でも落ちていたのでは?と思うほどひどいものでしたが。
試験の様子は次の項を御覧下さい。

実際に落ちた人の実技試験の様子(これよりマシだったら多分受かります!)

どんな運転をすると落ちるかを書いておきます。これよりマシだったら受かると思います、たぶん。
まず、ロープワーク~方位測定は特に問題なく完了しました。大きく失敗したのは、人命救助・連続旋回(蛇行)・着岸・後進離岸の4つです。

  • 人命救助: 上で書いたように、先生が予め投げたブイに接近して拾うのですが、これが超難しいです。拾えなかった場合も「やり直します」と言ってUターンすればリトライできるのですが、私は3回チャレンジして全て失敗しました。3回で終了したのは、試験官に「もういいです。次行きましょう。」と言われたためです・・・。また(少なくとも私の試験を担当した試験官の場合は)、人命救助で2回以上失敗したらほぼ不合格だそうです。
  • 連続旋回(蛇行): そもそも上手く直進できていない人が旋回なんてできるわけありません。ブイに近づきすぎてぶつかりそうになったりしていました
  • (右舷)着岸: 桟橋にぶつかった上、上手く停止できずに桟橋の端っこまで流されました。下手すぎる・・・。直進できないと一番キツいのは着岸だと思います。
  • 離岸: ここまで失敗続きでかなりパニックになっていたので、ただいきなり桟橋横でハンドルも切らずにバックする人になっていました。


そして不合格となり、泣きながら帰りました。

落ちてから再試まで

まず、実技は落ちないと聞いていたためにショックが大きすぎたので、しばらく忘れて過ごしました。また、年末で予定が立て込んでいた事と、同じ先生に教わりたくなかったため、補修+再試験を10日後に予約しました。
そして一週間くらいでメンタルが回復してきたので、その頃からロープワークの復習と実技の教科書の読み込みをしておきました。特に、着岸・離岸のハンドル操作があまり分かっていなかったので、教科書を読んで初めて理解しました。さらに、YouTubeで着岸・離岸の動画を見てイメージトレーニングもしていました↓。
youtu.be

これだけ対策しても不安はかなり大きく、補修&再試当日は暗澹たる気持ちで会場へ向かいました。

実技(半日・2回目)

2回目は最初に点検とロープワークを軽く復習して、あとはひたすら運転の練習という流れでした。先生がOKと感じたら再試験を受けて受かったら終了、落ちたらもう一度練習してまた試験です。朝9時から補修が始まって、多分お昼頃には再試験できるだろうと言われた事で少しホッとしました。なぜなら、もしまた落ちても今日もう一度受けられるからです。2回チャンスがあるのは大きい・・・!
しかも今回の先生の教え方はかなり分かりやすく、練習している内に真っ直ぐに運転できるようになってきました。今まではハンドルを回しすぎていたのが、コツを掴んで波に合わせて適度に回せるようになったようです。

直進できるようになったので、人命救助、連続旋回、着岸、離岸と練習していき、どれもだいぶマシになってきました。
補修の先生は、一旦最後まで見守ってから「ここがこうだったので、こう失敗していました。あそこはもっとこうしましょう。」のように教えてくれる人で私に合っていたので、より上達も早かったように思います。講師ガチャ大事・・・

そして11:30頃には先生のOKが出たので、いよいよ再試験です。
再びロープワークから始まり、暖機運転~方位測定までは問題なくできました。そして人命救助も、1回失敗してしまいましたが2回目は成功しました!
連続旋回も、緊張で少し大回り・急旋回になりましたがそこそこ成功。着岸も、少し行き過ぎましたが成功。
離岸だけ、着岸で行き過ぎた影響で横に停泊していた船にぶつかりかけましたがなんとか成功。
そしてついに、合格しました!!!

正直に言うと、けっこう合格点ギリギリだったそうです。まあでも合格は合格なので、本当に嬉しかったです。

終わりに

とても大変でしたが、なんとか取得することができて本当に良かったです。
調べても「運転が下手すぎて船舶免許の実技試験に落ちた」という人はなかなかいないので、なんらかの参考になるのではないでしょうか。
それではまた。